【読書メモ】『3行しか書けない人のための文章教室』 / 前田安正

この本は文章を肉付けしたいと思っている人に向けた本だ。
文章を書けと言われたものの「何を書けばいいのかわからない」となってしまう人に、どうやって文章を作っていくのかを丁寧に解説してくれる。

3行しか書けない人のための文章教室

特に大事だなと感じた3つを抜粋。

①相手目線の「WHY」で文章を膨らます

本書では5W1Hの中でも特に「WHY」が重要視されている。
文章が書けないという人は「いつ(WEHN)誰が(WHO)どこで(Where)何を(WHAT)どうした(How)」という形で4W1Hになってしまっているケースが多いそうだ。

わかりやすい文章を書くというのは、WHYを中心にすえて、あらかじめ読み手が疑問に思うところを先回りして、書き加えていくことなのです。
「WHY」は、読み手の視点でもあります。あらかじめ、「なぜ」「どうして」という疑問に対する答えを盛り込んでいけば、わかりやすく内容も豊富になり、必然的にある程度のボリュームを持った文章になります。

文章を苦手としている人はこの「WHY(なぜ)」を深掘りしていくことで、文章を肉付けしボリュームを出していける。
これまでも自分の文章は「WHY(なぜ)」から広げていたものの、“読み手のWHY(なぜ)”という観点はすっかり抜けていた。
独り善がりな一人称の「WHY(なぜ)」を脱出し、読み手が求めるWHY(なぜ)の観点を掘り下げていくことが大事なのである。

②ありがちな表現、慣用句と抽象的な言葉に注意

「エモい」「可愛い」「カッコいい」「すごかった」などのありがちな表現に対しては、それらの「ありがちな表現」を使わずに「エモさ」「可愛さ」「かっこよさ」「すごさ」を表現するかが問われる。
これらも「WHY」から掘り下げるのである。
「なぜそう思ったのか」という自分の感情の細かな動きを振り返ることで、読み手にとって臨場感がある文章になる。
この文章を書く前に内省するプロセスが文章を豊かにするのである。

ただちょっと文章慣れしてきて「慣用句」でそれらを表現するようになったら注意だ。
「慣用句」を使うことが目的となって、それに引きずられ始めるのである。
あくまで「慣用句」は表現の手段ということを忘れてはならない。

そして抽象表現が踊り始めることにも注意だ。
抽象表現はどうにでも捉えられる分、相手に文脈を読ませる行為なのである。
それ故に抽象表現を使う場合には具体的な描写とセットで使うことで説得力をもたせるのが大事だ。
自分ではWHYを掘り下げて抽象表現をしたつもりでも、相手にはその抽象化するプロセスは見えていないので具体的な描写がないと説得力を持たないのである。

③書き出しは「短く、直球勝負」

「○○といえば」という前置きは必要ないのです。たぶん書き出しに困って、助走をつけるような感じで書いてしまうのでしょう。~(中略)~
書き出しで、主題をさらけ出す。こうすると余計なことを書かずにストレートに書き進められるのです。~(中略)~
書き出しに迷った時は、「短く、直球勝負」を心掛けるようにしています。

清少納言の『枕草子』の「春はあけぼの」という言い切りのように、短くストレートに書き出すことで読み手を引き込むことが大事だ。
書き手の迷いがあるような書き出しではインパクトが出せず読み手を魅了できない。

「相手目線のWHYを掘り下げる」「ありがちな表現、慣用句、抽象表現に注意」「書き出しは短くストレートに」この3つは本書の中で特に自分の中では大事に感じたポイントだ。

本書では具体的な文章を元に肉付けするプロセスを解説してくれるのでかなり読みやすかった。
文章量を書くことに自信がない人にはおすすめの本だ。

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