【Apex Legends】なぜモザンビークが上方修正されないのか

破竹の勢いでユーザー数(とチーター)を増やしているApex Legends(エーペックスレジェンズ)。先日発表されたニュースだとリリース1ヶ月でユーザー数が5,000万人を超えたらしい。そんな中、こんなニュースが流れていた。

“『Apex Legends』最弱と評されるモザンビークをあえて調整しないと開発陣が表明。このままネットミームを楽しむ”
https://automaton-media.com/articles/newsjp/20190222-85827/

多くのプレイヤーが弱いと感じているモザンビークについて、今後のバランス調整予定があるかredditスレッドにて質問されたRespawn Entertainmentのシニア・ゲームデザイナーのSean Playback氏は、「このままネットミームを楽しみ続けるつもりでいる」と回答した(GamesRader+)。現にネット上では、「モザンビーク=弱武器」という認識が浸透していることをうまく使ったジョークが量産されている。これらを楽しむということはつまり、モザンビークを強化する予定はないことを意味していると考えて良いだろう。

どうやらネットミーム(≒ネット上のネタコミュニケーション的なもの)として可愛がられているからそのままにしておくらしい。確かに野良プレイしていても、ジョークコミュニケーションの一環で「モザンビークヒア(Mozambique Here)」のシグナルが連発されるシーンもあるし、モザンビークヒアで曲が作られるぐらいには愛されていると思う。

自分はモザンビークや同じく弱武器であるP2020が修正されないのは、ミームのためなんかではなく初心者から上級者まで楽しめるゲーム性を意識したものだと考えている。
上記ニュースでもこんな言及があった。

弱い武器があるからこそ、マッチを通じて装備が強化されていく感覚を得られるからだ。似たように、武器がランク分けされていることで、マッチ序盤がより刺激的になるという声もある(Njkid9氏)。

バトルロワイヤルゲームというカテゴリだからこそ、武器に強弱あった方が面白いという話だ。これはPUBGやFotniteをはじめとしてほとんどのゲームでそれが当てはまると思う。でもあまりに弱すぎると運要素が強くなってしまうため、競技性が高いゲームシステムと相反してしまうのではないだろうか。

武器スペックが横並びのものを配布すれば、初心者は上級者の狩られる対象でしかなく、キルする楽しみを得られることなくそのゲームを去ってしまう。一方で実力が反映されないような武器スペックになってしまえば、上級者ユーザーは運要素が強いことに不満を持ちそのゲームを離れてしまう。今のゲームベンダーにとって初心者と上級者にとって両方を満足させるバランスをとるのは非常に骨が折れるものとなっている。

現状のApex Legendsのモザンビークをはじめとする弱武器でウイングマンやピースキーパーなどの強武器と対戦した場合、初心者と上級者ほどレベルが離れてない場合を勝ち目はかなり薄いだろう。もう少し調整した方がよさそうに見えるが、Apex Legendsのシステムが他のバトロワゲーと比較してうまくできているからこそ修正はしない方がよいのではないだろうか。

そのシステムというのがバトルロワイヤルゲーム内でリスポーンシステムを導入したことだろう。ノックダウンされたあとに確殺キルを入れられたとしても復活できるゲームシステム。これを取り入れられたことで、序盤に上級者プレイヤーが理不尽な殺され方をしても、仲間にリスポーンしてもらえることでチャンピオンになれる可能性は担保される。一方で初心者はビギナーズラックでキルできるチャンスも得ることができる。この初心者と上級者の両方に対してゲームを楽しんでもらうための解決策として、登場武器の強弱差とリスポーンシステムの組み合わせが機能しているのだ。

バトルロワイヤルゲームでは10~15分と初心者が隠れながらセコセコと物資を探してようやく戦うというときにあっさりと上級者に狩られてしまうシーンが多々ある。十数分という時間で物資を集めさせられて、肝心の打ち合いはものの数秒で終わり、上級者への物資提供だけさせられてしまうのだ。Fotniteなんかでは歩くラマなんて言われたりもしてる。対戦モードでランクマッチのような同レベル対でのマッチングシステムを取り入れられない限り、初心者は狩られ続けるだけでゲームを楽しめないままだ。(モバイル版のPUBGなんかは最初は対人ではなくBOTとの撃ち合いにすることで初心者に勝たせる楽しみを残していたりはする)

Apex Legendsでは他バトルロワイヤルゲームと比較した際に「キルゲー」と呼ばれてるが、このコンセプトが今回のヒットに繋がっていると思う。武器に強弱があるので、序盤から初心者もキル狙いにいきやすくなることで、芋って狩られるだけのつまらない試合になる可能性が低いのだ。ただし、ビギナーズラックで負けた中級者/上級者もリスポーンで復活できる。バトルロワイヤルゲームでありながら、従来のFPSの撃ち合い要素が強く、かつ運要素でのバランスという絶妙なバランス配分をとれているのがこのゲームが売れた要素ではないだろうか。従来の撃ち合いメインのFPSにバトルロワイヤルの達成感を付与したという言い方の方がピッタシくるかもしれない。

長々となってしまったが、Apex Legendsでは武器の強弱とリスポーンシステムによって、初心者の救済と上級者の実力主義の塩梅がうまくとれているゲームとなっている。それ故にミームとしての面白さもありながら、モザンビークは上方修正されていかないのだろう。

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