守るべきモノがある弱さ

『守るべきモノもってる人は強い』というのは半分正しくて半分間違ってる。
守るモノが本来の目的となっている場合は守るべきモノを持っていることの最大限の恩恵を受けられる。
アニメや漫画などで守るべき仲間達がいるケースの多くはそれだ。
これらは『仲間を守る』という目的自体が戦いの目的になっているから、その強い意思から能力が発揮される。

一方で本来の目的になり得ない偽の守るべきモノに囚われてしまうと、逆に弱さを生み出す元となってしまう。
目的に対しての手段を守ろうとした場合がその最たる例だ。
例えば地位や権力や金、リソースは本来、何かの目的を果たすべきもの。
しかし一度得てしまった手段を守ろうとすると、それらを失いたくないという恐れの気持ちが大きくなり、リスクをとってチャレンジすることができなくなるのだ。
何か大きな目的を果たそうと手段を得てきたはずなのに、いつの間にか手段を得ていること自体が快感に変わり、それらを守ることが目的にすり替わってしまうのだ。

地位、権力、金なんかは手段としてイメージつきやすいかもしれない。
しかしそれ以外にも「過去に成功してきた方法論」や「過去に打ち立てたい実績」なんかも守ろうとする力学が働きやすい手段である。
方法論は手段の一つであるのはわかりやすい、実績も誰かに動いてもらうためにわかりやすいバロメーターとして使う手段である。
しかし過去の自分を守ろうとする力学は無意識で働きやすい。
それは過去の自分が今の自分を形成しているという思いが生じてくるためだ。
でも未来志向で目的を考えたとき、手段を守ることではなく、今どうやったら最短距離で目的に向かっていけるか考えることの方が大事なはずである。

何かを得る/所有すると失う恐怖はついてまわる。
だから地位や金などが年を経るにつれて増えていきやすいものと連動して、手段が目的にすり替わってしまう現象が増えるのだろう。
本来であれば自分のスキルを磨くことが目的で遮二無二働いていた人が、いつの間にか「今の立ち位置を離れたら自分が通用しない」気がしてしまい途端に立ち位置を守るための働きをはじめてしまうのである。

例え失ってしまっても「また作ればいいっか」ぐらいの気概で居続けられないと、この手の恐怖に抗うことはできない。
そういう意味で自分の持っている手段に対する自信ではなく、果たすべき目的に対して根拠の無い自信を持っていることの方が強みになるのだ。

そんなことを最近見かけた2つの記事を見ながら考えていた。

▼【佐山展生】挑戦のためなら、リボ払いもカードローンも使う。スカイマーク会長の全ベット人生
https://newspicks.com/news/3810862/

MBAは勝手に行っていたので学費も高く、お金も全然なくて。クレジットカードのリボ払いにはずいぶんお世話になりました。でも、なぜか心配はなかったですね。お金は将来取り戻せますが、時間は取り戻せないですから。未来の自分がなんとかすると、なんの根拠もなく、そう考えていましたね。
(中略)
そもそもわたしは儲けたいと思ってなにかをやっているわけじゃない。お金とは目標にすべきものではないし、目標にするとキリがない。入ってくるものを拒まなくてもいいけれど、稼ぎたいという気持ちは一切ないですね。事業欲があるだけ。スカイマークを立て直そうとしたときにも、自分が儲かるかどうかなんて一切考えていない。

▼キングコング西野の大借金生活
https://ameblo.jp/nishino-akihiro/entry-12453247441.html

西野さんの場合みたいに、応援のネットワーク効果が出ている人は、ピンチになったほうが人が増えるので、手堅く黒字ができる作品を作るくらいなら、赤字がでるけどめっちゃおもしろいものを作るほうがサロンはおもしろくなるわけですね。
何がいいたいかというと、、、普通のネットワーク効果だと、一定の規模になったら、あとはミスらないようにリスクをとらずに保守的になったほうがいい、となります。ネットワークを保全することが大事だからです。
しかし、応援のネットワーク効果だと「ミスってもいいから、すごいチャレンジをし続けないといけない」となっちゃうのですね。
これが面白いなーと思っています。ミスってもいいからチャレンジしないとお客が逃げるっていうビジネスモデルは、今まであまりなかった気がするんですよね。

守るべきものは本来の『目的意識』だけなのである。
そしてその『目的意識』だけにまっすぐチャレンジできていると応援する人々がついてきてくれる。
それができなり何かを守り始めたときに応援してくれるファンは離れてしまっていくのである。

歯に衣着せぬ物言いで本質をついていた論客が増えたファンを守ろうとして身も蓋もないことを言い始めたら終わりなのだ。

失う不安を殴り捨てて目的だけを見据える。
ただそこに意識を集中させること。

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