【読書メモ】『Team Geek―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか』

エンジニアから紹介されたことがきっかけで手にとったのが本書。
Googleの開発者がいかにチームビルディングしてきたかという点について体系的にまとまった本だ。

TEAMGEEK

日本国内のマネジメント現場でも『心理的安全性』というワードやティール型の組織など非トップダウン型の新しいマネジメントの在り方について語られるシーンが増えてきた。
本書では『心理的安全性』というワードこそ使われないものの、そのコアとなるような考え方が凝縮されている。

チームビルディングで必要なことは特殊なテクニックやスキルではなく、極めて基本的なコミュニケーションの下地を作ることである。
あまりに人格的な話によるので多少説教臭くも感じてしまうかもしれない。

「あらゆる人間関係の衝突は、謙虚・尊敬・信頼の欠如によるものだ」
1.謙虚(Humility):自分は全知全能でもなければ、世界の中心でもない。
2.尊敬(Respect):相手を一人の人間としてあつかい、能力や功績を高く評価し思いやる。
3.信頼(Trust) :自分以外の人は有能であり、正しく動くと信じる。そして仕事を任せられる。

謙虚/尊敬/信頼の頭文字をとってHRTの3本柱と本書は表現している。
このHRTの文化を浸透させていくことこそ、まさに『心理的安全性』を担保としてチームを有機的に機能させることに繋がるのである。
何かチームがギクシャクしていたり機能不全に陥っているとき、メンバーの配置やマネジメント手法など表面上のことを見直そうとする動きは多い。
しかしそういうテクニカルな部分ではなくもっと根本的な人間としての向き合い方を見直すことが良いチームを作っていく上で最短距離になるのだろう。

「伝統的なマネージャーはどうやって仕事を完了させるかを考える。リーダーは何ができるかを考える…(どうやって仕事を完了させるかはチームに考えてもらう)」

元来マネジャー職は管理的なニュアンスを多く持つ。
与えられた目標に対して人/金/物/情報などのリソースの最適化を行っていくことをその役割として設定されがちである。
しかし今のマネジャーに求められることは、HRTの精神と会社としての方向性を浸透させることにある。
その先の業務執行は良い環境を与えられたメンバーが有機的に行っていくのである。

開発者向けのチームビルディングとして書かれた本であるが、HRTの精神やリーダーシップの在り方など、どんな現場にも必要なエッセンスが詰まっていた。
GEEKと書かれているが技術書の類ではないので、チームを持つ立場になった人は是非手をとってみて欲しい。

『Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか』Brian W. Fitzpatrick (著), Ben Collins-Sussman (著)

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