【読書メモ】『メモの魔力』 / 前田裕二

『思考の整理学』『ゼロ秒思考』など思考系の本にはメモやノートに対しての話が多いが、それは思考とメモが密接に結びついているからである。
メモの魔力 The Magic of Memos
自分は「考えることとはメモを取ること等しい」と考えているが、それは頭の中で思い浮かんだモノは取り留めのなく消えてしまうものが多く、考えるという行為は書き起こしながら初めてできる行為だと思っているからだ。
本書でもメモという観点から思考をプロセスを築き上げることを手伝ってくれる。
この本の一番の価値は、「学ぶ」ためのフレームワークを提供してくれていることだ。
 
『ファクト』:事実を具体的に書く
『抽象化』:共通項や普遍性が高い気付きを抽出する
『転用』:抽象化された要素をアクションに落とし込む
 
この『ファクト→抽象化→転用』という学ぶための枠組みをメモというツールを使って誰にでもわかりやすく解説していることに本書の価値がある。
ただ闇雲に勉強しても学力が上がらないように、何かを学ぶためには適切な学ぶ方法が必要だ。
そしてこの「ファクト→抽象化→転用」という学習方法は、どんな局面でも利用できる汎用性が高い学習フレームワークなのだ
 
この学習のための学習方法をアップデートできるかできないかで、その後の学習効率は大きく変わってくる。
PCに例えるなら、学習のための学習方法はOS(オペレーションシステム)であり、個別の学習はその中に入っているソフトウェアに該当する。
OSのアップデートを行っていくことで、より効率よくその中のソフトウェアの真価が引き出されるのである。
だからこそ、こういった思考系の本はなによりも先に読んで自分の脳みそのオペレーションシステムのバージョンアップを行っていくことが大事なのだ
 
「Easy come, easy go(得やすいものは失いやすい、「あぶく銭は身につかない」、悪銭身に付かず)」という言葉があるが、 『10分でわかる◯◯』だったりそういった類の具体的な情報というものはすぐ使えなくなってしまうものだ。
「メモ」というのは習慣であり、習慣を作るというのは非常に骨が折れる。
でもその「メモ」を武器にできたとき、初めて頭の中でとりとめもなく浮かんでいるものが書き起こされ、思考に昇華されていく
だからこそ学習フェーズの一番最初でメモの取り方を勉強することが大事なのだ。

この点について、けんすうさんのTweetに非常に共感した。
以下の『モチベーション革命』で書いてあったエピソードなんか、自分にとっても既視感があるエピソードだ。

不思議なことに毎日のように会議に出て議事録をとっていると、次第に、議論が飛んでしまったり、会話が煮詰まったりする原因が見えてくるようになりました。
そこで「今、議論が別方向にいってしまっているので、いったん話題を元に戻してはどうでしょうか」と言うことができるようになっていきました。
こうして僕は少しずつ、会議の方向性をアドバイスしたり話題をまとめたりする力を身につけていき、だんだんとファシリテーター(会議において議事進行をしたり、プロジェクトそのものを中立的な立場から支援する役)へと成長することができたのです。

特に会議のファシリテーターは抽象化能力を鍛えるのにうってつけだ
個々人の具体的な発言(ファクト)を取りまとめ(抽象化し)ながら会議のゴール(転用)に向けた進行が必要になってくるからだ。
自分が尊敬している経営者の人もメモ魔の人が多い。
逆に立ち位置が偉くなって胡座をかいている人ほど、メモをとらないし思考力も欠如しているように感じる。

メモをとらないで思考力が高い状況をキープできるのは一握りの天才だけだと考えると、優秀か優秀じゃないか判断していく際にメモへの姿勢を見るというのは大事だ。話が脱線してしまったが、個人的にはそれぐらい「メモ」に対しての重要性を感じてるし、本書で触れられていた「ファクト→抽象化→転用」のフレームで記載していくことの有効性も肌身で感じている。
まだメモについての本を手にとってない人は他のビジネス本を手にとる前に大至急本書を読むことをおすすめしたい。

 

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